※ネタバレ※犬田小文吾がしんどい話 村編
舞台里見八犬伝 東京公演を観劇。
語彙力のない私がブログを開設するくらいにはしんどかったです。本当に辛い。つらい。
もうネタバレしかないので、もし読む方がいるのなら一度観てから読むことをオススメします。
いやー犬田小文吾。人生を歩んだ犬田小文吾がそこにはいた。
村で暮らしている青年。犬田小文吾。
大崩れという災害により両親を亡くし、弟の房八と妹のぬいの二人を育てながら暮らす。
本当は里見家の武士になりたかった(うろ覚え)けど兄妹置いていけないから百姓をしている。
もう本当に兄妹思いのいいお兄ちゃん。
和田さんはお兄ちゃんなんですよ。「和田さんがお兄ちゃんだ」という情報だけ頭に入れワクワクしてたら見事に打ち砕かれましたけどね。
村から逃げた房八を叱る小文吾。
房八は村がボロボロだからその原因を退治しに行きたい。って
たぶん小文吾自身もその気持ちはあるんだと思います。犬田村って言ってた気がするんだよなぁ、元々は地主の割とえらい家だったのかな。
そうだとしたらよりその土地に思い入れあるだろうし今の村の壊滅状態は小文吾が一番なんとかしたいんじゃないか。
しかし房八とぬいは最後の家族な訳で。きっともう家族を失いたくないっていう一心なんだろうなぁ。わざわざ危険な目にあってほしくないよねわかる。
たしかここら辺でとろろ汁。
「お2人にとろろ汁をつくって差し上げるから手伝ってくれ」みたいな感じだった
さしあげる!!!さっきまで叱ってて感情も昂っているだろうに、礼儀を忘れない小文吾。最高。
房八が信乃と現八に「自分を連れていってくれ」っていうシーン
ここで房八の心が分かるわけですわ。弟からしてみれば大崩れが起こり両親がいなくなったから兄に苦労をかけてしまっている。だからせめて自分が戦って兄の苦悩を少しでも和らげたい、そんな感じ
もうほんとこの兄弟…!男兄弟だからかな、とてもお互いのことを思いあっているんだけどその気持ちが通じてないよ…
実は倉庫の物陰でこっそりその話を聞く小文吾お兄ちゃん。ここで小文吾のセリフは何も無いですが聞いている途中顔を背けたり一度やっぱり聞かないどこうとフラフラしていました。どんなにしっかりしていても小文吾もまだまだ若い青年ですよ。むしろ自分を一番出したい時期でしょうに、そんな状態ですべて兄妹へ捧げる。不安やどうしていいか分からない悩みが無い方がおかしい。
房八の意見を聞いてやることが優しさなのか、危険だと止めてあげるのが優しさなのか。私もその立場だったら辛いしわかんない。
その後房八は現八に稽古を付けてもらってました。
たぶんそこで房八の気持ちがいかに強いか小文吾は感じ取るんじゃないかなぁ。
村の崩壊ですしんどいの始まりです
ぬいと房八はそこで亡くなってしまいます。
両親も失い、自分が残りの兄妹を育てるしかない、それが自分の人生なんだ。そう思った矢先に兄妹まで失った小文吾。村ももう壊滅状態です。もう彼は何を糧に生きていけばいいというのか。むごい、あまりにも惨すぎる。
「房八ーーーッ!!!」って叫ぶところとか「ぬい…房八……」ここの声が本当につらかった。瀕死のぬいに上擦った声で「ぬい…」って声をかけながら抱き抱えるところとか本当に辛い。無理。
親兵衛が「今楽にしてあげる」って切ろうとするんですよね。親兵衛なりの優しさなんだ。
そこで聞いた小文吾の「来るな!!!!!」って叫ぶ。今でも頭に響きます。
親兵衛は一思いに逝かせた方がいいと思ったんだよね。
でもやっぱ切られてしまったというぬいの人生を曲げる必要が無いというか、せめて最期まで見届けたいというか…
倫理や道徳的観点から言ったら物議を醸しそうですが気持ちは親兵衛のも否定出来ないんだよなぁ…分からなくなってきた。
その後房八とぬいを看取ります。あーもう辛い。刺された直後覆い被さるようにして泣いてた。今思うと弟や妹のそんな姿を見られたくなくて隠してるってのもあるのかな…
腕を組ませ、着物を正す。その時の小文吾の姿があまりに痛々しくて観るのが辛かった。
「悌」
それが犬田小文吾の玉の文字となりました。
兄妹を思いやる気持ち。
そこで小文吾は兄妹の敵を打つと心に決めます。こんな状態でも行動を辞めない。なんて素晴らしいんだ。フォロワーさんが仰っていた「犬田小文吾は光」の意味が分かったような気がします。
あとどこら辺だか忘れたけどぬいちゃんと現八のシーンほんわかする。
あのお花を髪にさす幸せな世界が一生続いてくれって今だから思う。
言われて知ったけどあの花、ぬいちゃんを弔う時に持たせてるんだとか…
あーーーもう、無理。
うろ覚えだしグッチャグチャだしもうなんなんだって感じですが村はこんな感じです(?)
本当に何様なんだって話になりますが今回その犬田を歩んだ和田さん。演技上手くなってた気がします。滑舌も、抑揚も、何より大切な気持ちも。すべてパワーアップして挑んでるなーっていう気持ちでいました。
だからこそ辛かった。すごくすごく辛かった。ただ目に見えるように悲しそうに辛そうにしてるんじゃないんです。抑えてきれない悲しさ辛さ悔しさ虚しさが滲み出るように。
「自分は憑依型だ」なんてどこかで彼は仰っていました。歩む、という形が自分にはあっていると。
演じるではないという意味が分かりました。犬田小文吾がそこにありました。辛くて悲しい小文吾の姿が。それでも立ち向かう小文吾の姿が。
犬田小文吾が和田さんでよかった。
多分続きます。長々とありがとうございました。